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必要な思い出

あれは小学校3年生のときのことだったと思う。

職員会議がある水曜日の放課後だった。
私は男子3人から殴る蹴るの暴行を受けた。
相手は清川、澄田、福本である。
いったいどこに清く澄んだ福があるというのか。苗字が泣くぞ。


きっかけは些細なことだった。
男子がふざけて私を殴ろうとしたのを
私が避けたのが気に入らない、ということだった。

「なんで避けるんだ」「生意気だ」と軽く殴られたが
私が抵抗したので
3人はどんどんエスカレートした様子だった。
まったく集団心理とは恐ろしいものである。

当然私は「やめてよ!」と叫んだが
最初の小競り合いの状況の段階で
他の児童は帰ってしまっていたので
ボコボコやられていたときは誰もいなかったし
先生は職員会議でどの教室にもいなかった。
だから誰も助けには来てくれない。
学校はひどく静まり返っているように感じた。


小学校低学年とはいえ、
か弱い女子が男子3人に殴られたり蹴られたりすれば
それなりに痛いし、また恐ろしいのだ。

私が泣くと男子3人はより一層楽しくなったようで
なかなか帰してもらえなかった。
私は1時間以上殴られていたような気がするが
本当は10分くらいだったかもしれない。
でも3人が帰って行ってからもしばらく泣き続け
そして私も帰ろうとすると
通学路には児童が全くいなかったので
ひょっとすると結構な時間殴られていたのかもしれない。
時計を見ていたはずなのに、
そのへんの記憶ははっきりとしないのだ。

お約束とも言えるが下足箱には靴がなかった。
私は裸足でトボトボと帰った。


その日私は寝る前に布団の中で
「明日は学校に行きたくないな~」と思ったり
「また殴られたらどうしよう」と思ったり
「あのヤロウども、どうしてくれよう」とも思ったりした。



翌朝、まず下足室で福本に出くわした。
私は福本をジーッと見てからニコッと笑い
「おはよう」と言った。
福本は目を泳がせながら「…おはよう」と言った。

「勝った」と思った。


教室で澄田に会った。
やはりジーッと見てからニコッと笑い
「おはよう」と言った。
澄田もやはり目を泳がせて「うん…」とか言っていた。

「ばかめ」と思った。


清川はいたって普通だった。
堂々としたもので、
「こいつは要注意人物だな」と思った。


その日私は福本と澄田をチラチラ見てから
担任の先生の周りをウロウロする、ということを繰り返した。
そのたびに2人はオドオドするので
「愉快愉快☆」と思っていた。
 

しかし清川はちっとも気にした様子がない。

そういえばこいつは2年生のとき、私に
「(私の家の)店の商品を持って来い。じゃないと殴るぞ」
とさんざん脅してきたヤツなのだ。
実際に叩かれたこともあったが
「はぁ? ざけんなよ?」と相手にはしていなかったので
それまで特に害はなかったが、今回のことで
やはり清川には何か感性が抜け落ちてる気がしたので
適度に距離を置くことを決心した。
家庭に事情を抱えたヤツなので多少同情の余地はあったが
あれだけ殴られてやったんだから、もういいだろう。


3人から暴行を受けた翌日の木曜日、
私は帰りの会でもチラチラと3人を見ては
手を挙げて発言しようかどうか迷う素振りをし、
澄田と福本が目を泳がせるのを見て
勝利を確信した。


私たちの周りにいる
厳しい大人たちよありがとう。
あなたたちの威を借りて、
私は勝利をおさめました。

 

その後私はしばらく放課後に一人にならないことを心がけ、
そのうちに自然に忘れていった。
完全に忘れたわけではないがトラウマとなったわけでもなく、
一緒に遊んでいるときに時々思い出しては
「コノヤロウ」と思っていた。
二十歳をすぎてすぐの頃、カラオケで美声を披露する澄田を見て
「コノヤロウ」と思ったのが最後である。



それから10年くらいは完全に忘れていたが
長男が3歳のころ、洗い物をしているときに
唐突に降りかかるようにこの記憶がよみがえってきた。
あれは不思議な感覚だった。


そして長男が幼稚園に入園し
お友だちからの乱暴に頭を悩ませていたころ
「あのとき私は自分から先生には言わなかったけど、
 私が泣きついた母はどう対処したのだろうか」
と思い立ち、母に電話をして聞いてみた。母は

「はぁ? 聞いてないよ!? 
 そんなことあったん? 何それ! ヒドイ! 
 絶対に先生に言って相手にも文句を言ったのに!!」


と、たいそう驚いていた。
 
どうやら当時の私は母にも話をしていなかったらしい。
話したような気がするのだが・・・


ともかく私の
「先達にご教授いただこう☆」という目論見ははずれ、
年老いた母の血圧をただ上げただけ、
という結果に終わったのであった。







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(長文の思い出話におつきあいいただき、ありがとうございました。)
 

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カギコメさんへ

それは心配ですね…。
私のこの話とは違って、
年が違えば心の傷の深さも違うのでしょう。
でも親が知ることができたというのは
不幸中の幸いかもしれませんね。

人を介してコッソリ謝ってくるあたり
うしろぐらいところがあるのでしょうけど
嘘で身を守るタイプのようなので気は抜けませんね…。

記事にも書いてますが、私は当時も今も
子どもに厳しく接する大人に助けられたと思っています。
私が一人で解決(解消?)したわけではありません。
しかし清川のように通用しないタイプがいるのもまた事実。
対応は状況によって変わると思いますが
お子さんに新しい光が差し込むことを祈っています。
 

そういえば私も子どもの頃、女同士で意地悪をされたり、仲間外れをされた時は大人に言えなかったものですが、自分の中でうまく解決し、傷にはならずにすんでいます。
しかし近い時期、大人である担任につけられた傷はいまだに大きな悲しみやトラウマを残すものとなりました。
大人が味方でいてくれる、それだけで子供は救われるのかもしれませんね。

No title

きみこさん,強いですね!
涙が出そうでした。
こうちゃんは自分の強い母に守られ,
いつも怒鳴りこんでもらっていたので,
いざ自分の子が,という時,どうしてあげるのが正しいか
難しいと思っています。
きみこさんは,何故澄田と福本が大人しくなったかを
“厳しい大人の威を借りて”と,表現され
そこも凄いと思います。
有事の際はきみこさんの貴重な“必要な思い出”
を参考にさせて頂きたいと思います。
なんか,無茶苦茶なコメントですみませんv-356

No title


大なり小なり、こういった経験はあるのでしょう。
私も思い返すといろいろあったような気がします。
(私自身、忘れっぽいので、ぼんやりとしか覚えてないですが…)
我が子にふりかかった場合、どう対処すればいいか悩みます。
難しい問題ですね。

No title

イジメの原因って色々あるんだろうけど
きみこsanの態度って正解だと思う
苛める側に複雑な問題がない場合なら
小学生くらいなら 「 叱られる 」「 逆に苛められる 」 って思いは
かなりの恐怖だろね
集団に含まれるウチの大半はノリだったりするし
言いつけそうで言わないってのが
「 いつ言われるか 」 ってドキドキ感を与えてよかったのかもね
これが中学生くらいになったら先手を打たれるわけだけど
小さい頃から
人を傷つけることによって自分に与えられるリスクを
しっかり教えなきゃダメだね

しぃしぃさんへ

しぃしぃさんは悲しい思いをされたのですね…。
この先トラウマが少しずつ、うすーくなっていくことを祈ります。
やはりたとえ厳しくても、大人は子どもを裏切ってはいけませんね。

ということで、まだまだ息子を怒鳴り倒して宿題をさせ、
夏休みの遊びの約束をきっちり果たさねばなりません…
あと残るはプールだ……うへぇ…

そしていちいち大人に言ってなんかいられない
子ども同士のイザコザはありましたよね~。
親となった今では全て知っておきたいと思ってしまうのですが。
それはまー無理だな。
 

こうちゃんさんへ

私は強くないですよ…。
か弱き子猫ちゃんです。

自分の子が、というときは難しいですよね。
私にもわかりません。
だって息子は子どもだった私とは別人ですしね。
自分が面倒なことになるのはイヤなので
そろそろ長男には合気道でも習わせて
自分でなんとかできるようになってくれねぇかなー
と思っています。
 

ちび天使のママさんへ

おっしゃる通り、どんな人にもそれぞれ大なり小なりの
トラブルを抱えた思い出ってあると思うのですが、
自分の子どもの場合にあてはめられるか、というと
そうとは限らないのが勿体無いですよねー。
あー、自分の経験が全部参考になればいいのに~(悩むのが面倒)
 

秘密のさいこちゃんさんへ

そうそう!
「いつ言われるか」のドキドキよね~。
私って子どものころから素敵な性格でさ、
チクリ魔女子だったのよぉー☆
だから暴力をふるった夜、澄田と福本は(清川は知らん)
私が大人にチクったに違いないと、寸分たりとも疑わず
ドキドキしながら眠ったに違いないと思うのよー。
思い出してもイイ気味だわー!!
私が帰ってすぐに親に報告して、相手の親やら先生に怒られたら
それで向こうはスッキリ終わっちゃうわけだもんね。
澄田と福本が3日はビクビクしていたかと思うとホント愉快☆
あの時は大人に言わなくて良かったわ!(←いい性格)
 

No title

言いたいことはたくさんありますが・・・。
とにかくキミ子さんがちゃんと負けずにいれたことが嬉しかったです。
今の子供たちって闘いかたを知らなさすぎですよね。
親に丸投げせず、自分たちでちゃんと闘えるといいんですけどね。
親が出てきた日にゃややこしくて仕方ないっす・・・。
ええ、今ややこしいんです。モンスター怖い・・・。

nikolalaさんへ

モンスター怖いッスね。怖いッス。
やたら波風をたてるママさんの話、怖いッス。
PTAをやっててチラチラ聞こえる変人の噂、怖いッス。
幸い私は周りの人に恵まれて、
今まではややこしいことには巻き込まれずにきています。
私の知らないうちに子と親が入り混じったトラブルが終わってたりします。
それは決して私がカヤの外にやられているのではなく
子猫ちゃんな私を守ってくれる誰かがいるのだと思います。
そうに違いありません。

nikolalaさんはややこしいことに
なったりしているのですか?? 大変ですね・・・。
なんて言うか・・・ご武運をお祈りしております・・・。
 

No title

2回読み返しました。

現実にあるんですね。

私は五人の子供の親父です。

四男までは、子育てに参加してなかったような気がします。

どう対処するかな?

正直、解らんかったです

AGAさんへ

わが子のこととなると、
どうしていいかわからないですよねぇ。
そもそも自分の子どものこともよく分かってないし。
とりあえず私はママ友とのつきあいを
おろそかにしないようにしていますが…
ほんと、どうしたらいいんでしょ。
 
あー知らないうちに子どもが自分で解決しててくれねーかなー
 

No title

少なからずも 小学校や中学校の時あったよね。

親にはえなかったよね 心配させるから。

相手の心の問題もあるのは分かるな 堂々としてるやついたわ。

で 思い出したから 御礼参りに行くんでしょ

でいつ行くいつ行く~!!!

飛行機乗って行くわ❤

騎馬戦っぽくいく?

私きみこさん背負って頭突きから入るよ❤

よっちママさんへ

私を背負って頭突き・・・
それはアレね、恰幅のいい子に割り当てられる下段先頭ね。
そこをよっちママが担ってくれるのね。
お礼参りの相手はオッサンだけど、それは勝ったも同然ね!
百人力よ!!

・・・でもなんか、よっちママがノリノリすぎて怖いの。
やっぱりよっちママの参戦はお断りするわ。
私の子猫ちゃん的勘が「やめとけ」と言っているわ…。

 
私の場合、親に言ってなかったのは「心配させるから」とか
そういう高尚な理由ではなかった気がしますよ。
単に言いそびれたか、「いじめられた」と言っても聞き流されたか。
靴もなくなったんだし、少なくとも当日は話そうとしたはず。
で、翌日にはビクビクする2人が面白くてチクる必要がなくなった、と(笑)
だってチクったら2人をビクビクさせる楽しみがなくなるじゃないですかぁ~
ウフフフフ~♪(いい性格)
 

No title

また読み返してしまった…。
何て書いて良いのか難しいけど、ほんま、良い性格やったんやなぁ、きみこさん。
何てゆーか、相手をじっくり観る余裕すら、感じさせる。凄い!!

でも、そういう風に育てられたご両親もすごい。いじめられた、を言ったのに伝わらなかったのかもわからんけど、私は一人で対処できなくて、親に頼ってしまった部分があるから、ちょっと恥ずかしいなぁ^^;

高学年になってきて、ちょくちょく何かしらあるクラスみたいやから、様子を見とかないとアカンかなぁ、とゆーか、ナフキンの件もあるから、担任に話を聴いてみたい。

この記事はまた、思い出すと思うわ。
書いてくれてありがとう(*^^*)

自分の経験と同じことを子ども達が経験する訳じゃないし、全くの別人やし、簡単じゃなよね~^^;

chikaさんへ

うふふ、私って本当~に、いい性格な子猫ちゃんでしょう?
ウフフフフフヒヒヒヒヒヒヒ!!

まぁいわゆる「いじめ」ではなく単発の「いじわる」「暴力」だったから
そこまで深刻にならずにすんだのでしょう。
私がニタァッと・・・じゃねぇや、ニコッと朝の挨拶をした時点で
勝負はあったのですな! フハハハハハ。

chikaさんは親に頼ったとのことですが、それで何とかなったなら
それで良いではありませんか。結果オーライです。
私だって先生や親に頼ったりもしましたよ。チクリ魔だったし。うふ。
私とchikaさんが違うように子どもも別人で違うし
周りにいる友だちも違うし、時代も土地柄も違う。
だから難しいけど・・・「みんなちがって みんないい」(byきみこ)




・・・・パクってないよ、きみこの名言だよ。
 

No title

きみこ節が炸裂した文章!!

あっそうや!!
今書いている原稿にきみこさんを登場させてるけど、ええかな??

銀蔵さんへ

きみこ節ですか…
どうなんだろう…よくわからない…

ミッコの登場はどうぞどうぞ、です。
 
プロフィール

きみこ

Author:きみこ
息子2人(中2、小5)と暮らしています。兵庫県在住。『バツイチはモテる』と聞いていましたが、それはどうやら都市伝説のようですよ。
 
カテゴリの「パッケージコレクション」は二十年近く前に中国で買ったもので誤植モノが多いです。皆様に楽しんでいただけたら嬉しいです。

来てくれてありがとう
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